GLM-4.7-Flashがローカル環境で実用化、30B MoEモデルを24GB VRAMで動作


GLM-4.7-Flashがローカル環境で実用化、30B MoEモデルを24GB VRAMで動作

中国のZhipu AIが開発した大規模言語モデル「GLM-4.7-Flash」が、ローカル環境での実用的な実行を可能にした。30BパラメータのMoE(Mixture of Experts)アーキテクチャを採用し、比較的入手しやすい24GB VRAMのGPUやApple Siliconで高速動作する点が特徴だ。高性能なローカルLLMを求める開発者や研究者にとっては朗報と言えるが、一方で、現時点では公式に確認された情報が限られており、コミュニティで報告される高度な最適化手法については検証待ちの部分もある。

GLM-4.7-Flashとは:効率化された30B MoEモデル

GLM-4.7-Flashは、Zhipu AIが公開した最新の軽量版言語モデルだ。公式情報によれば、300億(30B)のパラメータを持つが、MoE(Mixture of Experts)アーキテクチャを採用している。MoEモデルは、推論時に全てのパラメータを活性化させるのではなく、入力に応じて専門家(Expert)のサブセットのみを動員する。このため、純粋な密モデル(Dense Model)と比べて、同規模の性能を維持しつも、推論に必要な計算リソースとメモリ消費を大幅に抑えることができる。

従来、70Bクラスの高精度なモデルをローカルで動かすには、大容量のVRAM(通常40GB以上)を持つ高価なGPUがほぼ必須だった。GLM-4.7-Flashの意義は、この性能とリソース消費のバランスを巧みに調整し、より広範なハードウェア環境での実行の扉を開いた点にある。

対応ハードウェアと公式性能:RTX 3090/4090、M3 Maxで実用速度

では、具体的にどのような環境で動作するのか。公式に確認されている情報によれば、NVIDIA GeForce RTX 3090やRTX 4090といった24GBのVRAMを搭載したGPUでローカル実行が可能だ。また、Apple Siliconでは、M3 Maxチップを搭載したMacで60〜80トークン/秒(tok/s)の生成速度が達成されていると報告されている。

この速度は、長文の要約やコード生成、対話型のエージェントタスクを、ストレスなくローカルで行える実用域に達している。例えば、ブログ記事の下書きを助けさせたり、プログラミング中のコードスニペットを生成させたりする日常的な使用において、クラウドAPIへの依存を減らし、応答速度とプライバシーを両立できる可能性を示している。

セットアップと基本的な実行方法

GLM-4.7-Flashをローカルで動かす主要な方法の一つは、llama.cppなどの推論フレームワークを利用することだ。モデルはGGUF形式で量子化されて公開されていることが多く、4ビットや5ビットの量子化版を選択することで、さらにVRAM使用量を削減できる。

具体的な手順としては、まず対応するGGUFモデルファイルをダウンロードする。その後、llama.cppのコマンドラインインターフェースを使用して、例えば-mオプションでモデルファイルを指定し、-nオプションで生成トークン数を設定して実行する。GPUオフロードを有効にするオプション(llama.cppでは-ngl)を指定することで、レイヤーをVRAMに載せ、推論速度を向上させることが一般的だ。これにより、先述の公式速度に近いパフォーマンスを得られる見込みがある。

コミュニティで報告される高度な最適化:CPUオフロードの可能性

一方で、X(旧Twitter)などのSNS上では、公式では未確認のさらなる高速化手法についての報告が散見される。例えば、「CPUオフロード」や「GPU/CPUハイブリッド構成」と称する設定により、66.84 tok/sという速度を達成したとする投稿や、3万トークンに及ぶ長文の要約を快適に処理できたとする体験談がある。

これらの手法は、モデルの一部のレイヤーをGPU(VRAM)に、残りをシステムメモリ(RAM)とCPUで処理することを意味し、限られたVRAM環境で大きなモデルを実行するための古典的かつ高度なテクニックだ。ただし、これら詳細な構成とベンチマーク数値に関する一次情報(公式ドキュメントやZhipu AI自身による発表)は現時点で確認できていない。そのため、これらの報告を試す際には、あくまでコミュニティによる実験的な成果であり、環境によって結果が大きく異なる可能性がある点に留意する必要がある。

誰が使うべきか:ローカルLLM実用化を目指す開発者・研究者

GLM-4.7-Flashのローカル実行は、主に以下のようなユーザーに価値がある。

第一に、24GB VRAMクラスの比較的コモディティなGPU(RTX 3090/4090)を保有し、高品質なローカルLLMの実用化を目指す開発者や個人研究者だ。クラウドAPIのコストやレイテンシ、データ送信に関する懸念を避けつつ、高速な推論を必要とするプロトタイピングや研究に適している。

第二に、Apple Silicon Mac(特にM3 Max)のユーザーで、オンデバイスAIアプリケーションの開発を考えている人だ。60-80 tok/sという速度は、非常に実用的な水準であり、ネイティブアプリケーションに統合する際の強力な選択肢となり得る。

現段階では、まず公式に確認されている情報(24GB VRAM動作、M3 Maxでの速度)を基に評価し、実際のハードウェア環境でベンチマークを取ることが推奨される。CPUオフロードなどの高度な最適化に関心がある場合は、コミュニティフォーラムやリポジトリの議論を注意深く追い、自身で検証しながら適用を判断すべきだろう。GLM-4.7-Flashは、高性能ローカルLLMの民主化に向けた、現実的で有力な一歩を提供するモデルと言える。

出典・参考情報

cloud9 Written by:

Be First to Comment

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です