Midjourney、Niji V7にムードボードとパーソナライゼーション機能を追加


Midjourney Niji V7に「ムードボード」と「パーソナライゼーション」が登場、AI生成をあなた好みに

アニメ・イラスト特化の生成AIモデル「Niji」の最新版「V7」に、ユーザーの好みを学習して出力をカスタマイズする新機能が追加された。Midjourneyの公式アップデート情報によれば、「Moodboards(ムードボード)」と「Personalization(パーソナライゼーション)」機能がNiji V7で利用可能となり、パーソナライゼーションの設定プロセスは最大5倍高速化された。これにより、特定の画風やキャラクターの一貫性を求めるクリエイターの強い味方となるアップデートと言える。一方で、汎用的な画像生成をたまに使うだけのユーザーにとっては、少しマニアックな進化に映るかもしれない。

Niji V7の新機能:ムードボードとパーソナライゼーションとは

今回の核となる「Personalization(パーソナライゼーション)」機能は、ユーザーがアップロードした複数の画像(ムードボード)から、そのユーザーが好む色味、構図、タッチ、キャラクターデザインなどのスタイルを学習する。学習後は、通常のプロンプトに--pというパラメータを追加するだけで、その好みに沿ったスタイルで画像を生成できるようになる。Midjourney公式ドキュメントによれば、これは単一の画像を参照する「イメージプロンプト」とは異なり、複数画像から抽象化された「好みの傾向」そのものをモデルに反映させる仕組みだ。

「Moodboards」は、このパーソナライゼーションの基盤となる画像コレクションを作成・管理する機能である。ウェブインターフェースが改良され、複数のパーソナライゼーションプロファイル(例:「暗めのファンタジー風」「ポップな90年代アニメ風」など)を作成し、切り替えて使うことも可能になった。

具体的な使い方:あなただけのスタイルをAIに教え込む

では、実際にどのように使うのだろうか。手順はシンプルだ。まず、MidjourneyのウェブサイトやDiscordで、パーソナライゼーション機能のページにアクセスする。そこに、自分が「こういう画風で生成してほしい」と思う画像を5〜20枚程度アップロードしてムードボードを作成する。例えば、特定のイラストレーターの作品群、自分が過去に生成して気に入った画像のセット、あるいは目標とするアニメのスクリーンショットなどが考えられる。

ムードボードが完成したら、そのプロファイルを有効にする。その後、通常通りNiji V7モデルで画像生成を行う際に、プロンプトの最後に--p を追加する。例えば、a wizard standing on a cliff, epic fantasy scene --niji 7 --pと入力すれば、アップロードしたムードボードから学習したあなた好みのファンタジー画風で魔術師が生成される。公式情報によると、このパーソナライゼーションの学習処理が大幅に高速化され、以前よりも素早くスタイルを適用できるようになった。

誰が使うべきか?想定される活用シーン

この機能が最も威力を発揮するのは、一貫した独自のビジュアルスタイルを求めているクリエイターだ。例えば、インディーゲームの開発者がキャラクターや背景のコンセプトアートを統一されたタッチで量産したい場合、自分の好みのスタイルを一度学習させておけば、毎回長く詳細なプロンプトを書かなくても近い出力が得られる可能性が高まる。

また、同人誌の表紙イラストや漫画の作画にも応用できる。メインキャラクターのデザインをムードボードとして登録しておけば、様々なポーズやシチュエーションでのイラストを、デザインがぶれずに生成する補助ツールとして使える。SNSで定期的に特定の「テイスト」のファンアートを投稿したいユーザーにも有用だろう。

競合技術との比較:LoRAやStyle Transferとの違い

Stable Diffusionのコミュニティでは、少数の画像から特定のスタイルやキャラクターを学習する「LoRA」という技術が広く使われている。Midjourneyのパーソナライゼーションは、このLoRAに近いコンセプトを、公式機能としてDiscordやウェブUIという既存の利用環境にシームレスに統合した点が特徴だ。ユーザーが複雑なモデルマージや重み調整を意識する必要がなく、--p一つで簡単に呼び出せるのは大きな利便性である。

また、DALL-E 3の「Style Reference」のような画像を基にしたスタイル転送とも異なる。パーソナライゼーションは単一の画像ではなく「複数画像から抽出された傾向」を参照するため、より抽象度の高い「好み」を反映でき、生成の幅が広がると考えられる。

なお、Niji V7モデル自体も、2026年1月9日にリリースされた公式情報によれば、前バージョンと比べて画像の一貫性、プロンプトの理解精度、そして長らく課題であった「テキストレンダリング」(画像内の文字描写)が改善されている。これらの基本性能の向上とパーソナライゼーション機能が組み合わさることで、より精密で意図通りのアニメ調画像生成が可能になっている。

まとめ:アニメAI生成の「個性化」が本格化

今回のNiji V7への機能追加は、生成AIが「汎用的な画像生成ツール」から「個人のクリエイティビティを拡張するパーソナルなパートナー」へと進化する一里塚と言える。ムードボードによる直感的なスタイルの「教育」と、高速化されたパーソナライゼーションは、特にアニメ・イラストという「様式」が重要な領域において、ユーザーの創作ワークフローに深く入り込んでくる。

一方、旧来の「web rooms」機能が次世代コラボレーションツール開発のために終了予定であることもアナウンスされている。Midjourneyはリアルタイム協調編集のような、よりインタラクティブな創作環境の構築にも注力しているようだ。Nijiモデルを愛用するクリエイターは、このパーソナライゼーション機能を試し、自分だけの生成スタイルを構築してみる価値が大いにある。逆に、毎回違うスタイルを試してみたいという好奇心旺盛なユーザーや、テキスト生成が主な用途のユーザーにとっては、当面は従来通りの利用で問題ないだろう。

出典・参考情報

cloud9 Written by:

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