OpenClaw(旧Clawdbot)で24時間稼働するAIエージェントを構築する完全ガイド


複数のAI従業員を24時間稼働させる:オープンソースAIエージェント「OpenClaw」完全構築ガイド

オープンソースのAIエージェント「OpenClaw」(旧称Clawdbot/Moltbot)を利用すれば、Telegramなどのメッセージングアプリに連携し、カスタムスキルを追加した独自のAIアシスタントを構築できる。公式情報によれば、42,000ものスキルを追加可能な高い拡張性が特徴だ。ただし、このツールはセットアップやカスタマイズに一定の技術的知識を要するため、プログラミング経験のないユーザーや、すぐに完成品を使いたい人にはハードルが高いかもしれない。

OpenClawとは:オープンソースで拡張可能なAIエージェント基盤

OpenClawは、ユーザーが独自のAIエージェント(「AI従業員」と表現されることもある)を構築し、自動化タスクを実行させるためのオープンソースプラットフォームである。公式ブログ「Introducing OpenClaw」によれば、このプロジェクトは以前はClawdbotやMoltbotと呼ばれていたが、現在はOpenClawに名称が統一されている。その核となる思想は、単一のAIアシスタントではなく、役割やスキルが異なる複数のエージェントを並行して24時間稼働させる「チーム」を構築できる点にある。これにより、情報収集、通知、データ処理など、多様なバックグラウンドタスクを同時に自動化することが可能となる。

OpenClawのセットアップと基本構成

実際に利用を開始するには、まず公式のGitHubリポジトリからソースコードを取得し、インストールと初期設定を行う必要がある。公式ドキュメントによれば、このプロセスにはPython環境の構築や必要な依存パッケージのインストールが含まれる。セットアップが完了すると、ユーザーはプロジェクトのディレクトリ構造を確認できる。この構造は、コアとなるエージェントエンジン、設定ファイル、そして後述する「スキル」を格納する部分など、モジュール化されて整理されている。この設計が、後からのカスタマイズや機能追加を容易にしている。

外部サービスとの連携:Telegramボットとして動作させる

OpenClawの強力な機能の一つが、外部サービスとのシームレスな連携だ。特に、メッセージングアプリのTelegramとの連携は一般的なユースケースとして紹介されている。手順としては、Telegram上でBotFatherを通じて新しいボットを作成し、発行されたAPIトークンをOpenClawの設定ファイルに記述する。これにより、OpenClawエージェントがTelegramボットとして動作し、個人やグループチャットでユーザーからのメッセージやコマンドを受け付け、応答を返せるようになる。これによって、離れた場所からでもスマートフォンを通じてAIエージェントに指示を出したり、その出力を受け取ったりすることが可能だ。

カスタムスキルの追加でエージェントを強化

標準状態のOpenClawも有用だが、その真価は膨大なカスタムスキルを追加できる拡張性にある。公式情報によれば、コミュニティによって開発された42,000を超えるスキルのリポジトリが存在し、これらを自分のOpenClawインスタンスに組み込むことができる。スキルは、天気予報を取得する、特定のWebサイトを監視して変更を検知する、データをスクレイピングする、計算処理を行うなど、多岐にわたる。追加方法は、スキルリポジトリから目的のコードを取得し、プロジェクトの所定のディレクトリに配置し、設定ファイルで有効化するという流れだ。これにより、汎用のAIアシスタントを、自分だけの特定のタスクに特化した強力なツールへと進化させられる。

具体的な活用シーン:複数の「AI従業員」に仕事を任せる

では、実際にどのように運用するのか。一つの実践例は、役割分担を持たせた複数のエージェントを構築することだ。例えば、一つ目のエージェントにはニュースサイトや技術ブログを監視するスキルを追加し、関心のあるキーワードを含む新着記事があればTelegramに要約して通知させる。二つ目のエージェントには、自社のWebサイトやAPIの死活監視スキルを追加し、障害が発生した際に即座にアラートを送信するように設定する。三つ目のエージェントには、収集したデータを定期的にスプレッドシートやデータベースに整形して保存するタスクを担当させる。これら全てのエージェントは同じOpenClaw基盤上で独立して動作するため、まるで仮想チームが24時間体制で働いているような自動化環境を構築できる。

類似ツールとの比較とOpenClawの位置付け

AIエージェントを構築できるツールやサービスは他にも存在する。クラウドベースの完成品サービスは、コーディングなしで簡単に始められるが、カスタマイズ性や内部構造の制御には限界がある。一方、OpenClawはオープンソースであるため、コードレベルで全てを把握し、変更できることが最大の利点だ。自前のサーバーで動作させるため、データの流出リスクを心配する企業内利用にも適している。また、42,000ものスキルリポジトリは、他のオープンソースエージェントフレームワークと比べても非常に豊富なエコシステムと言える。欠点は、その分学習コストとセットアップの手間がかかることであり、これは技術志向のユーザーと一般ユーザーを分ける境界線となる。

まとめ:誰がOpenClawを使うべきか

OpenClawは、AIエージェントの可能性を最大限に引き出したい開発者、技術者、あるいはプロダクトマネージャーに最適なツールだ。特に、「ChatGPT APIを単に使う」のではなく、「AIが自律的に判断し行動するエージェントの仕組みそのもの」を理解し、カスタマイズしたい人にとっては貴重なプラットフォームである。Telegram連携による手軽なアクセス手段と、オープンソースならではの無限の拡張性を兼ね備えている。逆に、プログラミングに不慣れだったり、ボタンクリックだけで使える完成品を求めていたりする場合は、別の商業サービスを検討した方が良いだろう。自らの手で「AI従業員」を育成し、デジタル業務を自動化する楽しみと可能性は、OpenClawのようなオープンソースプロジェクトによって初めて手の届くものになる。

出典・参考情報

cloud9 Written by:

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